2007年10月4日木曜日

シャネルスーツ

シャネルは引退後15年目の1954年2月に、70歳でカムバックしました。そして55年にマドモアゼル・シャネルは、機能的なツイード・スーツを発表しました。これが今のシャネルスーツです。

当時、フランスではクリスチャン・ディオールの、復古的で、女性らしいくウエストをしぼった「ニュールック」が流行しており、彼女の「シャネルスーツ」は不評でした。勿論、戦中にナチスの将校と関わりを持ったという経歴も不評の原因の一つでしょう。さらに、戦後の揺り戻し的保守主義からフランスでは女性が働くことが一般的ではなく、女性解放全般が進んでいなかったという状況も禍いしたのでしょう。

しかし、シャネルスーツは女性の台頭の著しかったアメリカで熱狂的に歓迎されたのです。

55年、シャネルスーツは、上着とスカートのツー・ピース。スカートは膝丈で、デスクワークのどんな立ち居振る舞いにも適していました。肩からヒップまで直線的に下りるラインを際だたせ、丸い襟元のシンプルな上着の下に白のブラウスがさりげなく豪華さを演出していました。結果的にこのツイード・スーツ(通称「シャネル・スーツ」)は、アメリカで人気が爆発後、遅れること10年、女性の高学歴化が60年代に進んだフランスで人気とな り、70年代に入ってシャネル・スーツは世界的な大流行となったのです。

シャネル・スーツは、20年代のシャネルが編み出した基本的なラインを維持しながらも、ツイードがジャージーにとって代わり、機能性が向上して、一層、素敵になっていると思います。

ただ、シャネル・スーツはどんな女性にでも似合うという信仰がありますが(私もそう思っていた)、どうもそうではないらしいですね。特に最近のシャネルスーツは私にはどうしても似合わないみたい。私の中に、マドモアゼル・シャネルが来ている写真がこびりついているのが原因なのでしょうか。やはり彼女が一番素敵にみえるような気がします。まあ、それでも一番ちゃんと見えるのは、フツーのシャネルスーツなんですけど……。でも、100万もだしてプレタか……ハーッ!!!!

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